先端生体高分子構造研究センターは、企業や学術研究機関の皆様を対象としたNanoTerasuにおけるタンパク質等のX線結晶構造解析を支援します。本センターは、放射光X線による生体高分子の構造データを通して、生命科学研究の進展と創薬をはじめとする応用研究への貢献を目指してまいります。

センター概要

About Us

タンパク質などの生体高分子の構造から機能やそのメカニズムを明らかにする学問である構造生物学の発展は昨今著しく、AIを利用した高精度な構造予測なども含めた生体高分子構造情報の利活用が進んでいます。X線結晶構造解析は生体高分子構造解析法の一つであり、これまで生命科学研究の進展や創薬といった応用研究に貢献してきました。特に放射光X線を用いた生体高分子X線結晶構造解析は、高精度の構造情報を与える高い空間分解能データの取得や短時間で多くのデータ収集を可能とする高いハイスループット性を強みとしてきました。

3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuの優れた軟X線及び硬X線を生体高分子の構造解析にも活用すべく、生体高分子結晶構造解析実験ステーション(MX-ES)がコアリションビームラインBL09Uに建設されました。MX-ESは、高品質なX線ビームと高精度回折計、大面積且つ高速読み出し可能なX線検出器を備えた汎用性と先端性を兼ね揃えた実験ステーションです。さまざまな実験ニーズに応えることが可能なため、全自動データ収集はもとより多くの実験手法を提供いたします。また、東北大学サイバーサイエンスセンターのスーパーコンピュータAOBAと連携した高度な解析環境と実験データ管理の構築を進めています。

先端生体高分子構造研究センターは、結晶構造解析の専門知識を有する皆様のMX-ESの利用支援を主な目的として、2025年3月東北大学創薬戦略推進機構の下に設立されました。MX-ESは2025年度下期の運用開始が予定されています。本センターは生命科学・創薬研究支援基盤事業(AMED-BINDS)をはじめとする国内構造解析ネットワークとの連携によりMX-ESを利用する全ての皆様に最適な利用環境を提供することで、企業並びに学術界の皆様のMX-ES利用を促進し、タンパク質構造情報の利活用と応用研究を推進します。